山の隠語とトイレ事情 〜「キジウチ」と「お花摘み」〜

登山の世界には、ちょっとユーモラスな隠語が残っています。
そのひとつが「キジウチ(雉撃ち)」と「お花摘み」。

昔から、山で「トイレに行きたい」とは言いにくいもの。そこで仲間内で使われていたのがこの言葉です。
「キジウチ」は、草むらで腰をかがめる姿が、雉を狙う猟師に似ていることから男性の排泄を指す言葉。
「お花摘み」は、女性がお花を摘む姿になぞらえて使われていました。私のグループでは、今でも普通に使っています。「キジウチ」「お花摘み」という言葉には、仲間内の気遣いやユーモアが込められています。

自然か? 施設か? 山のトイレ問題

最近では「山のトイレは必ず施設で」という風潮があります。確かに北アルプスのような高山地帯や、人の往来が多い登山道ではそれが正解です。低温や多量の利用者により自然に分解されず、環境負荷が高くなるからです。

一方で、私は必ずしも「自然の中ですること=悪いこと」だとは思っていません。山野を歩き回る動物たちも自然の中で排泄していますし、分散されればむしろ自然に還るのも早い。施設に汚物を集める方が負荷になることもあるのではと考えています。

自然に返すときのマナー

ただし「どこでもいい」というわけではありません。

  • 沢や水場の近くは絶対NG
  • 登山道に残すのは論外
  • 穴を掘って埋めること
  • ティッシュも一緒に処理すること

この配慮は最低限のマナーです。

投稿者

yamatano

1958年(昭和33年)生まれ 近畿の山々2,000m以下の低山のあらゆる尾根や谷からアプローチする山登りをしています。六甲山は250回以上、金剛山は400回以上、大峰、台高、鈴鹿の山々を主体に、登るブッシュハイカーです。