山で浄水器?~安全に水を手に入れるために~

岩から染み出した水。透明で冷たく、とてもおいしそうに見えるものです。登山道の脇にコップが置かれている時。「飲みたい!」。

以前の私は、上流に人家や山小屋がない沢水をそのまま飲んでいました。しかし、今は絶対に直接飲むことはしていません。そのきっかけは大きく3つあります。

沢の水を直接飲まなくなった理由

  1. 目黒寄生虫館を見学したこと
     水から感染する寄生虫の存在を知り、リスクを実感。
  2. エキノコックスの話題
     北海道で知られる寄生虫ですが、本州にも広がる可能性があります。
  3. 実体験
     沢を遡行中に詰めで水がちょろちょろとしたところに動物の死骸を見たことがあります。
    猟師が獲物の血抜きを沢で行うこともあると言います。
    山の水は一見きれいに見えても、寄生虫や細菌に汚染されている可能性があります。
    そのまま飲むのはリスクが高く、煮沸や浄水器が必須です。

携帯浄水器は必須アイテム

やがて登山者にとって心強い道具が登場しました。携帯用浄水器です。
これを使えば、長い縦走やテント泊でも安心して水を得られるようになります。

浄水器のメリット

  • 微細フィルターで寄生虫卵や細菌を除去
  • 煮沸不要で燃料節約
  • 軽量・コンパクトで持ち運びやすい

ただし、化学物質や色素までは除去できないため、泥水など極端に汚れた水には不向きです。

浄水器の種類と仕組み

① フィルター式(主流)

  • 中空糸膜やセラミックフィルターで細菌・寄生虫を除去
  • 軽量で扱いやすく、多くの登山者が使用
  • 定期的な洗浄やフィルター交換が必要

例:ソーヤーミニ(SAWYER MINI)、カタダイン ビーフリー(Katadyn BeFree)

② 化学処理式(錠剤・液体)

  • ヨウ素や二酸化塩素を使って殺菌
  • 軽量で緊急用に便利
  • 作用までに時間がかかる/味や臭いに影響あり

例:アクアピュアー

③ 紫外線(UV)式

  • 携帯型UVライトで水中の微生物を不活化
  • 化学薬品を使わず、味も変わらない
  • 透明な水でないと効果が落ちる/電池が必須

例:ステリペン(SteriPEN Adventurer)

浄水器を選ぶときのポイント

  • 信頼できるメーカー品を選ぶ(安物は危険)
  • 軽量でコンパクト(特に縦走・テント泊では必須)
  • 交換フィルターの入手性(長く使うなら重要)
  • 使用シーンに合わせる(日帰りなら軽量タイプ、長期縦走なら耐久性重視)

私が愛用しているのは「ソーヤーミニ」はお勧め!

小型・軽量で、しかもフィルターの交換が不要。これがとても便利なんです。
ザックの隅に入れても負担にならないので、長期縦走や緊急時の安心感につながります。

フィルターは0.1ミクロンという細かさで、エキノコックスなどの寄生虫卵も通しません。もちろん泥水のようなものをそのまま使ったことはありませんが、透明な沢水なら問題なく安心して飲めます。

投稿者

yamatano

1958年(昭和33年)生まれ 近畿の山々2,000m以下の低山のあらゆる尾根や谷からアプローチする山登りをしています。六甲山は250回以上、金剛山は400回以上、大峰、台高、鈴鹿の山々を主体に、登るブッシュハイカーです。