お助け紐(補助ロープ)は登山者の必携アイテム

なぜ必要なのか

一般登山者でも、お助け紐=補助ロープぐらいは持っていきましょう。
「そんなに大げさな道具はいらない」と思うかもしれませんが、実際にはちょっとした場面で頼りになるアイテムです。


どんな時に役立つ?

  • 突然の崩壊地に出くわした時
  • 小さな段差の登り下りに不安を感じた時
  • 同行者が足を痛め、支えが必要になった時
  • 「安全の保険」として持っているだけで安心

お助け紐とは

山道具店で売っている 6〜8ミリ程度の「細引き」「補助ロープ」のことです。

  • 1メートル単位で購入可能15m程度がいろんな場面で融通が利く長さ。
  • 私たち一般登山者にはこれで十分。

最低でも 5m程度の長さ があれば、通常の非常時対策には対応できます。


使用上の注意点

ここが一番大切です。

お助け紐は あくまで非常用

  • ロッククライミングのような「確保ロープ」や「懸垂下降」には絶対に使えません。
  • 理由は「伸びない」からです。
    • クライミング用のロープ(ダイナミックロープ)は、伸びることで落下時の衝撃を吸収します。
    • 一方でお助け紐は硬く伸びないため、たとえ1mの滑落でも致命的なGが体にかかります。

つまり、垂直壁で全体重を支えるような用途には不向き
私たちが登る山で傾斜45度もなると切り立って見えます。

  • 常にテンション(張った状態)をかけておく
  • 「転落を止めるため」ではなく「ちょっと補助するため」に使う

これが鉄則です。


使い方の広がり

  • 基本は「困った時のお助け用」ですが、
  • ロープワーク・カラビナ・スリングを組み合わせれば、意外といろんな場面で応用できます。
  • 中級以上になれば、軽い沢登りや草付き斜面の確保、さらには細引きを使った懸垂下降といった使い方も出てきます。

まとめ

  • お助け紐は「軽くてかさばらない安全アイテム」
  • 非常時に助けになることが多い
  • あくまで非常用であり、クライミングロープとは別物
  • 最低5mの細引きを常備するのがおすすめ

お助け紐は「滅多に使わないけれど、持っていると安心」な道具です。
とりあえずロープワークの習得は後回しでも構いません。まずはリュックの片隅に細引きを一本、忍ばせておきましょう。

投稿者

yamatano

1958年(昭和33年)生まれ 近畿の山々2,000m以下の低山のあらゆる尾根や谷からアプローチする山登りをしています。六甲山は250回以上、金剛山は400回以上、大峰、台高、鈴鹿の山々を主体に、登るブッシュハイカーです。