このブログは登山初心者の方を対象に書いています。
近年、登山人口が増え、手軽に山奥へ入れる時代になりました。
それに伴って遭難も増えており、「なぜこんな事故が?」と首をかしげる事例も多く見られます。
昔は山岳部や山岳会、各種山の会で先輩から登山のイロハを学ぶのが普通でしたが、今はSNSや動画の情報だけで山に入る人も増えています。その結果、知識や経験が不足したままリーダーとなり、遭難を引き起こすケースも少なくありません。
このブログは、私自身の経験をもとに「初心者の方に伝えたいこと」をまとめたメモのようなものです。共感できる部分だけを持ち帰っていただければ嬉しく思います。

自己紹介と山への思い

  • 1958年(昭和33年)生まれ。父に連れられて山に入ったのが登山の始まり。
  • 登山歴は55年以上。
  • 現役時代はヘリコプター操縦士としてアルプスを含む山岳フライトに従事。空からも山を眺めてきました。
  • 新田次郎の小説に夢中になり、加藤文太郎に憧れて山岳気象に関心を持ちました。
  • 岩登りや沢登りには手を出さず、私のスタイルは「ブッシュハイカー」。
  • 六甲山250回以上、金剛山400回以上、鈴鹿・大峰など関西の山々を中心に歩いています。

私の登山スタイル

私は「ピークハンター」ではありません。
同じ山でも尾根や谷をさまざまな角度から歩き、地図を片手に「道なき道」を探ることに楽しみを見出しています。

大切にしているのは 「ゆっくりズム登山」
ゆっくり歩き、山の表情を味わいながら登ることです。

そして登山の目的はただ一つ――
「安全に家へ帰ること」


登山に必要な心構え

最近は、YouTubeなどで注目を集めるために、力量を超えた山域へ挑む人も見かけます。これは非常に危険です。挑戦的な登山は、経験と技術を積み重ねた登山家だけに許されるものです。

私たち一般登山者に必要なのは 「無理をせず、安全に楽しむこと」

例えば補助ロープ。
難しい理論を知らなくても、2メートルのガレ場を降りるときに一本あるだけで遭難を防げることもあります。結び方が多少不格好でも構いません。

知識よりも大切なのは「安全に帰ること」。
登山教室や座学は意味がありますが、それだけで「一流になった」と錯覚するのは危険です。

本当に大切なのは――
**「安全に帰宅し、楽しかった思い出を一杯の酒で振り返ること」**だと思います。


おわりに

私は、操縦士としての経験と、ブッシュハイカーとしての実体験をもとに、初心者の方に向けて「山を安全に楽しむための情報」を発信していきます。

難しい理屈や冒険的な登山ではなく、誰もが笑顔になれる山登り。
遭難事故を起こすことなく、また次の山へ。

その積み重ねこそが、山を歩く者にとって一番の幸せだと信じています。

2025(令和7年)7月16日