登山初心者に伝えたい、山用語の大切さ

山登りを始めたばかりの方に、まず知っておいてほしいことがあります。
それは「山用語は、安全のための共通言語」だということです。

私が登山を始めた頃、登山はまだマイナーで、汗臭くてダサい趣味というイメージがありました。女性の登山者は少なく、山岳会や同好会に入って、先輩に叱られながら用具の使い方や歩き方、そして山用語を身につけていくのが普通でした。
今は便利な道具やGPSがあり、誰でも気軽に山へ入れる時代です。見た目では初心者かベテランかの区別がつかないほどですが、教えてもらう人がいないまま見よう見まねで始める人が多い印象があります。その結果、知識不足のまま実力以上の山に入り、事故につながるケースも増えてきました。

特に気になるのが「山用語の誤用」です。
たとえば「右岸・左岸」を逆に理解していたら、仲間と意思疎通が取れず、ルートを誤って迷い込む危険があります。ほんの小さな勘違いが、遭難につながることさえあるのです。

もちろん、専門書に出てくる難しい言葉をすべて覚える必要はありません。必要なのは、実際の登山でよく出てくる“常識レベルの言葉”を正しく理解しておくこと。
このブログでは、初級者の方が実際の山行で直面する場面を例にしながら、役立つ山用語をやさしく解説していきます。難しい理屈ではなく「これを知っておくと安心」という実践的な知識を、少しずつ紹介していければと思っています。